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Channel: 中華街ランチ探偵団「酔華」
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「大勝館」のロビーに捨てられて

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 あれは、まだ25,6歳の頃だった。自由に使える小遣いが結構あったので、私は友人たちと一緒に、しばしば福富町の小料理屋へ通っていた。店の名は「ゆ**」という。
 ここは女将さんの作る料理が美味しかったのだが、我々が通い詰めた理由はそれだけではない。お店を手伝う美人の娘Mさんがいたからだ。温かい感じの優しい人で、当時は20代前半だったろうか。
 その美貌と性格に惚れて私はもちろん、友人のケイ氏もエヌ氏も毎週のように、彼女目当てに呑みに行っていたのである。

 しかも、我々は店に通うだけではなかった。当時、私は磯子の山奥にあるアパートに住んでいたのだが、そこにMさん、ケイ氏、エヌ氏を呼び、炬燵の上に置かれた寄せ鍋をつつきながら、フォークソングを歌ったりしていた。男たちは秘めたる想いを抱きながらも、なんとなく清らかなグループ交際という感じだったのである。

 そんな冬のある日、私たち3人はいつものようにお店を訪問した。しかし、この日はなぜかMさんがいなかった。もしかしたら、そのことと関係があったのかもしれないが、女将さんが私に対し「折り入ってお話ししたいことがあるの」と、カウンターの中から話しかけてきた。

 「あなた、お見合いをする気ない?」

 「えっ、、、、、まぁ、いい人がいたらね…」と返事をすると、彼女はすかさずお見合い写真を持って来た。 

 どんな人なんだろう? お見合い写真なんて見るの初めてだなぁ・・・ワクワクしながら表紙をめくると……


 そこに写っていたのは、女将の一人娘、そうMさんだったのである♪
 つまり、女将さんとしては娘と私を結婚させ、小料理屋を継いでもらいたいという思いがあったようなのだ。
 
 この提案に私は舞い上がってしまったが、両脇にいたケイ氏とエヌ氏の落胆ぶりといったら、それはもう見るに堪えないものだった……。

 もちろん、私はその場でお見合いの意志表示をした。

 ここから、いろいろなことが起きるのだが、今日はもう時間がないので、この続きはまた後日ね。
 
 ≪おまけ≫
 時間のある方は冒頭の地図をよく眺めて行ってください。いろいろ、懐かしい店などがあるから。

 

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