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Channel: 中華街ランチ探偵団「酔華」
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「桃源邨」の油条を中華街パーキングでいただく

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 平日は1時頃にならないとオープンしない「桃源邨」だが、最近は12時過ぎに開くこともあるようだ。

 これは先日、同店で買い求めた油条。
 たった1本(210円)なのに、こんな可愛い紙袋に入れてくれた。

 これをぶら下げて向かったのは中華街パーキング。


 私の昼食用専用席である。

 写真右側のドア横に見える装置は携帯電話やデジカメの電池充電器。
 ここで携帯電話を充電している間に、奥の自販機で買ったお茶と一緒に、「桃源邨」の油条をいただく。


 温かくて香ばしい。

 かぶりつくとサックリとした歯触りで、小麦粉と油の香りがホンワカと鼻腔をくすぐる。
 噛むほどに味わい深くなり、呑みこんだ後には至福の塊が胃袋を満たす。

 あちこちの油条を食べ尽くしているわけではないので何とも言えないが、横浜中華街の中ではここのがいちばん美味しいと思う。
 

 ところで、この食べ物に関して、明治大学教授の張競さんが『中国人の胃袋−日中食文化考』という本の中で、こんな話を載せている。
 以下は同書からの引用。
 
 油条は別名「油炸鬼(ユーチャークイー)」または「油灼鬼(ユーチャークイー)」という。

 この食品をめぐって有名な伝説がある。
 明の紹興年間に宰相になった秦檜(しんかい)は金に屈し、岳飛をはじめ、忠臣良将を多く殺した。
 庶民たちは秦檜の悪行を憎み、この食品を作ったと伝えられている。
 鬼は檜と発音が似ているから、油炸檜と同じ発音の油炸鬼という名前がつけられたという。
 最初は秦檜夫婦が背を向き合って縛られた形であったが、後に簡略化されて今のような二本の棒が合わさった形になったという。

 こんな美味しい食べ物なのに、背景にはずいぶんと恐ろしい伝説があったんだね…
 

 

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